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数学・統計・数値計算

数学・統計・数値計算

いままでに読んだことのある数学の基本書の紹介です。

最終更新時間:2007年06月01日 12時36分14秒


応用編

経済数学

  • 神谷和也,浦井憲一『経済学のための数学入門』東京大学出版会, 1996.

集合論の公理系や実数の公理論的定義が前半に配置されている本格的な数学の基本書です。ε-δ論法も普通に使っています。位相についても一章割かれていて、数学の基礎については、当座足りるという内容になっています。

微分については、経済学(主にミクロ)でよく使われる定理が乗っていて、十分な記述量がある反面、線形代数・積分・微分方程式についてはさわり程度という分量です。もっとも、一冊の教科書の内容としては、十分バランスが取れています。誤植が結構あるので注意して下さい。

  • 金谷 健一著『これなら分かる最適化数学』共立出版, 2005.

数値計算

  • Judd, Kenneth L. Numerical Methods in Economics. MIT Press, 1998.
  • Miranda Mario J. et al. Applied Computational Economics and Finance. MIT Press, 2002.
  • 桜井 鉄也著『MATLAB/Scilabで理解する数値計算』. 東京大学出版会, 2003.

確率論

  • 松原望『入門確率過程』東京図書, 2003.
  • D.ウィリアムズ『マルチンゲールによる確率論』培風館, 2004.

測度論的確率論の中級といったところです。筆者は著名な数学者で、厳密な議論が展開されていますが、筆者の個性のおかげで堅苦しさはありません。きちんと読めば、測度論や確率論、統計学の理解は飛躍的に進むと思います。

原著は、Williams, D. Probability With Martingales. Cambridge Univ. Pr., 1991.です。アマゾンでは「入門書」と言われていますが、これはおそらく数学として確率論を専攻する人にとってであって、その他に人には非常に読みがいのある本だと思います。
上級は、
Rogers, L. C. G. and Williams, David. Diffusions, Markov Processes, and Martingales Vol. 1: Foundations Vol. 1, 2nd ed. Cambridge Univ. Pr., 2000.
Rogers, L. C. G and Williams, David. Diffusions, Markov Processes, and Martingales Vol.2: Ito Calculus, 2nd ed. Cambridge Univ. Pr., 2000.
数理ファイナンスへ進みたければ、
Oksendal, Bernt. Stochastic Differential Equations. 6th ed. Springer Verlag, 2003.
でもよいでしょう。

  • Williams, David. Weighing the Odds, Camvridge Univ. Pr., 2001.

上と同じ人の本です。この本もおもしろくかかれています。

確率論、伝統的統計学、ベイズ統計学などを網羅的に扱った意欲的な本です。扱っているトピックが多い分、数学的な厳密さは多少犠牲になっています。

  • 伊藤清『確率論の基礎【新版】』岩波書店, 2004.

伊藤の公式で有名な著者が1944年(昭和19年!!)刊行した本を、現代表記に改めた本です。測度論が基礎になっているので、ルベーグ積分の本に目を通しておく必要があります(6ページ目に、ラドン・ニコディムの定理が出てきます)。

確率空間の構成、確率変数の定義に始まり、確率論の厳密な議論を展開しています。確率変数の収束や大数の法則・中心極限定理は上述の『入門確率過程』にも載っていますが、それらの厳密な証明がこの本に載っています。

定義などが独特で多少回りくどいですが、その厳密な定義や議論の方法に、純粋数学とはかくいうものかという感銘を受けました。後半の確率過程については記述量も少ないので、絶版になっている同氏の『確率論』など他の本を読んだほうがよいかと思います。

  • 西尾真喜子『確率論』実教出版, 1978.

最後の章以外はD.ウィリアムズ『マルチンゲールによる確率論』とほぼ同じなので、そちらを読めばいいと思います。

  • 谷島健二『ルベーグ積分と関数解析』朝倉書店, 2002.

ルベーグ積分の本だとあまり選択肢はありませんが、読みやすそうだったのでこれを選びました。

前半が測度論、後半が関数解析です。私は前半部のみ、伊藤清『確率論の基礎』が理解できる程度に読んでみました。別に、ルベーグ積分の議論そのものには何のありがたみも感じませんが(前書きにあるとおり、公理論的で分かりずらいというのもあります)、実のところ、測度空間は確率空間(確率三つ組み)そのものな訳で、そのような視点から読むと、とてもおもしろいと思います。

統計学

  • 渡部洋『ベイズ統計学入門』福村出版, 1999.

ベイズ統計学に興味を持ったので、読んでみました。一読しただけでも、普段計量経済学で使うような標本理論に基づく統計学とはまったく異なる原理を使っているというのが分かります。

ベイズ統計学の日本語の入門書は、これのほか繁桝算男『ベイズ統計入門』東京大学出版会, 1985年があります。

  • 竹村彰通『現代数理統計学』創文社, 1991.

ベイズ統計学に対して、こちらは伝統的な統計学の立場に立っています。

数理統計学は一応純粋数学に分類されているようですが、確率論のような美しさはなく、なんだか地に足が着いていないような印象を受けました。

  • 小西貞則, 北川 源四郎著『情報量規準』朝倉書店, 2004.

情報理論

  • 村田昇著『情報理論の基礎』SGCライブラリ 37 臨時別冊・数理科学2005年1月, サイエンス社.

入門編

高校であまり数学を勉強しなかった人と、手っ取り早く計算方法や定理の概要を知りたい人向けです。

  • 石村園子『すぐわかる微分積分』東京図書, 1993.
  • 石村園子『すぐわかる線形代数』東京図書, 1994.
  • 石村園子『すぐわかる線形代数』東京図書, 1995.

大学レベルの数学の参考書としては、もっとも平易なものです。範囲も、高校の数掘Cの内容を多く含んでいます。

理系向けの入門書は数多くありますが、文系(?)にはこれで十分な気がします。

岩波書店のキーポイントシリーズも入門数学としては簡単です。

高校履修数学が未修ならば大学受験用の参考書(『大学への数学』研文書院等)に目を通すのもよいかもしれません。

  • 永谷裕昭『経済数学』有斐閣, 1998.

予備知識不要の入門書とありますが、数学が得意でないととてもじゃないが読みきれません。狭いスペースに定義と定理・証明がぎっしり。定理だけ目を通して、後は必要に応じて参照するのが正しい使い方でしょう。

  • 入谷純・久我清『数理経済学入門』有斐閣, 1999.

上と同じレベルの本。若干こちらのほうが読みやすい気がします。

  • 森棟公夫『統計学入門(第二版)』新世社, 2000.
  • 刈屋武昭, 勝浦正樹『統計学』東洋経済新報社, 1994.

統計学の入門書です。好みに応じてどちらかを読み通すとよいと思います。

  • 薩摩順吉『確率・統計』岩波書店, 1989.

他の統計学や確率過程の本で分からないところがあるときに、参考になります。最尤法の説明が、もっとも優れた方法いうのはいただけませんが(確かに広辞苑には「【尤(ゆう)】非常にすぐれていること」とあります)。当然、正解は、「もっとも尤もらしい」です。